前回の記事「外置きファンによる冷却」の「4 その後」に書いたように、「Mac mini」の冷却の強化を急ぐ事にした。言わば、「底面側の冷却」の追加である。
簡単に言えば、「Mac mini」の直下の棚の部分にファンを持ってきて、その上下をLアングルではさみ付けるようにしただけである。これを写真で説明する。
製作して数時間であるが、問題は無い。底の蓋の部分を触ると冷たい。
ケース表面に層流状態の空気が当たるだけで、表面温度が室温に固定できるのはすごいな。
例えば、指で触って熱いと感じる温度が仮に「50℃」として、室温が仮に「35℃」まであがったとしても、室温に固定できれば「15℃」の冷却能力が期待できるわけだ。
次回、秋葉原に行くときに調達したいもの;
「Mac mini (mid 2011)」のマニュアルを見ていると、次のような興味深い図;
があった。排気口の位置は、Lion10.7の初期にデュアル・ディスプレイの接続ポートを何度も入れ替えていたので知っている。特に「HDMI」の辺りは強い熱風を感じていた。しかし、吸気口が「底面カバーの周辺」と言うのを今頃知った。
まさに「面を室温の空気をブローする」という事は、「吸気口近傍の境界層(boundary layer)の厚さを効果的に減少する」と推定できる。当然、「吸気口を経由する吸入空気の温度も室温に近づきやすくなる」事と期待できる。。
今まで「底面カバーが樹脂の為に、その熱伝導が低いので、カバーの冷却には懐疑的だった」けれど、「吸入空気の温度も室温にロックできる」のなら大幅な冷却効果が期待できるかもしれない。
温度計測のプログラムが正常に動作するなら、実験的に上下に配置した冷却ファンの評価ができる訳だ。大変に楽しみだ。
で「冷却 ファン 境界層」でインターネット検索すると;
で示された、境界層の厚みを推定値としてみる。実際は垂直入射流に近いので、もっと厚みは小さくなると思われる。さて、具体例を代入
そこで起きがけに覗いてみた。 「底面カバーの表面の断面形」は台形状で、ケースの内部から台形斜面が盛り上がる感じである。その根元に吸引口が2mm位のスリットとして台形の根元を一周している。ついか
この設計者は「吸入空気の流れを、加熱する為にデザイン」しているように思える。いくらなんでも、設計側がフィードバックしてやらないのが異常ではないだろうか。
でも、逆に言えば「底面側の冷却」は意外と効果的かも知れないな。
【底面カバーの内部構造】
やはりカバーの内部を見たくなったので開いてみた;
簡単に言えば、「Mac mini」の直下の棚の部分にファンを持ってきて、その上下をLアングルではさみ付けるようにしただけである。これを写真で説明する。
図1 正面から。左の「Time Capsule」と比べて背が高くなった。 |
図2 棚の下から見上げる。 |
図3 上から見下ろす。 |
製作して数時間であるが、問題は無い。底の蓋の部分を触ると冷たい。
ケース表面に層流状態の空気が当たるだけで、表面温度が室温に固定できるのはすごいな。
例えば、指で触って熱いと感じる温度が仮に「50℃」として、室温が仮に「35℃」まであがったとしても、室温に固定できれば「15℃」の冷却能力が期待できるわけだ。
次回、秋葉原に行くときに調達したいもの;
- ファン*5個
- 外付けHDDケース*3, ルータ, SW-Hub
- M4ローレット付きネジ:
- DC12V、2A程度の電源
- 電圧調整VR:50Ω, 1/4W, SW付き:
【吸入口の位置と冷却との関係】
「Mac mini (mid 2011)」のマニュアルを見ていると、次のような興味深い図;
「mac_mini_mid2011_ug_jp.pdf」のp11より |
があった。排気口の位置は、Lion10.7の初期にデュアル・ディスプレイの接続ポートを何度も入れ替えていたので知っている。特に「HDMI」の辺りは強い熱風を感じていた。しかし、吸気口が「底面カバーの周辺」と言うのを今頃知った。
- この所、図1~3の作業で、コネクタを取り外す事が多いが、コネクタが熱でフニャフニャにので驚いている。
- 「底面側の冷却」はこの意味でも役にたつと思う。
まさに「面を室温の空気をブローする」という事は、「吸気口近傍の境界層(boundary layer)の厚さを効果的に減少する」と推定できる。当然、「吸気口を経由する吸入空気の温度も室温に近づきやすくなる」事と期待できる。。
今まで「底面カバーが樹脂の為に、その熱伝導が低いので、カバーの冷却には懐疑的だった」けれど、「吸入空気の温度も室温にロックできる」のなら大幅な冷却効果が期待できるかもしれない。
温度計測のプログラムが正常に動作するなら、実験的に上下に配置した冷却ファンの評価ができる訳だ。大変に楽しみだ。
【境界層の厚さの概算値】
一般に、固体表面に沿って流体が流れるときには、固体表面に接した部分は速度がゼロになる;言い換えれば流体といえども固体表面に固定される訳だ。ところが固体表面から離れるに従って流体の速度が上がって行く。いまの場合、ファンで引き起こされた風の速さ(V)が物体にあたるときにゼロまで落ちる。でも、表面から一定の距離(δ)ていど離れるとVに復帰するという。この「δ」を流体力学では「境界層の厚さ」と言います。で「冷却 ファン 境界層」でインターネット検索すると;
で示された、境界層の厚みを推定値としてみる。実際は垂直入射流に近いので、もっと厚みは小さくなると思われる。さて、具体例を代入
δ = 境界層の厚み = 5 * SQRT(ν * x / V) ,従って、吸入口のスリットのサイズで急速な速度こう配が出来て、その流入気体が効果的に室温近くになりそうだ。
ここで、ν = 動粘性係数 = 1.43 * 10 ^(-5) m^(2)/sec,
x = 代表的サイズ = 1cm,
V = ブロア風速 = 1.33m/sec
であるので、
δ = 5.0 * SQRT( {1.43 * 10^(-5) m^(2)/sec} * 1cm / {1.33m/sec})
= 5.0 * SQRT( 1.43/1.33 *10^(-5) * 100cm *1cm )
= 5.0 * SQRT( 1.08 * 10^(-3) ) cm
= 1.6 mm 概算値
そこで起きがけに覗いてみた。 「底面カバーの表面の断面形」は台形状で、ケースの内部から台形斜面が盛り上がる感じである。その根元に吸引口が2mm位のスリットとして台形の根元を一周している。ついか
この設計者は「吸入空気の流れを、加熱する為にデザイン」しているように思える。いくらなんでも、設計側がフィードバックしてやらないのが異常ではないだろうか。
でも、逆に言えば「底面側の冷却」は意外と効果的かも知れないな。
【底面カバーの内部構造】
やはりカバーの内部を見たくなったので開いてみた;
図4 外しただけ。 |
- 本体内部のパンチング・メタルの周辺(前方の前側)に埃がついている(約10ヶ月使用したが)。
- その下にメモリや排気用ファンが見えている。この部分は、蓋を閉められると、左にある底面カバーの裏側に密閉されるようだ。
- 従って、冷却には;
- 「本体内部のパンチング・メタルの周辺の隙間」から吸気されて、
- 「パンチング・メタルの穴」を経て、内部にまわり、
- 黒い排気用ファンに駆動されて、後部の排気スリットから出るらしい。
- 底面カバーの直径は17cm弱でした。
- 筐体はアルミニウムのダイキャストらしく、素晴らしいできだ。でも熱対策がデザインに盛り込まれていないのでは、デザインの本流から外れると思う。ひょっとして、デザイナのかたはSSDだけしか念頭にないのかなぁ。
- 百歩譲って、現在のデザインで「底面カバーの金属の蓋の無い部分」には、パンチングメタルような金属とフィルタで
- 「吸気効率」の向上
- 「塵の侵入阻止」の向上
- をするべきだと思うが、如何なものだろうか。
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- 開始 2012-05-28 (月) 20:35
- 追加 2012-05-29 (火) 23:12 【吸入口の位置と冷却との関係】
- 追加 2012-05-30 (水) 01:03 【境界層の厚さの概算値】
- 追加 2012-05-30 (水) 05:26 吸引口の形状の確認
- 追加 2012-05-30 (水) 13:07 【底辺カバーの内部構造】
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