2015-12-30

iPhoneと顕微鏡レンズの組み合わせ評価

前々回の記事で、ディスプレイ上に表示した色文字を「正三角形のプリズム」で屈曲・分散させると「赤い色」が「青い色」よりも強く屈曲するような不思議なデータとなった;

これの関連を追うために、昔から持っていた小型マイクロスコープ(National製, BF-959: x10..x30)で観察したが、視力の弱った私には明確な結果がでないし、画像データの記録がとれない。そこで、Amazonで調べると「USB 顕微鏡」と言うジャンルがあるが、Macで使えるものは少ないし、高い。そのうちに、iPhoneのレンズの前に装着して顕微鏡とか望遠鏡にするジャンル があるので、一番安い顕微鏡を購入してみた;

この顕微鏡の性能がどれくらいかをテストしたので、以下に説明します。測定対象は;
  1. アルミのスケール(新潟精機製、AS-45): 1目盛 = 1mm.
  2. iMac (21.5", Late 2009)のモニタ表面: 100dpi = 4dot/mm.
    • 「光沢液晶」のまま。
撮影に用いたのは;
  • カメラ: iPhone 6s plus, iOS9.1 +  COM-SHOT装着
  •  アプリケーション: SQUARE mode
    1. スケール撮影: 組み込み "Camera"
    2. iMac撮影: "Camera+" :下記パラメータを独立して設定できるので購入
      1. 焦点設定場所
      2. 露出設定場所
      3. 電子ズーム設定

アルミのスケール

iPhoneの電子倍率=最小。
大目盛間隔=5mm ↔︎ 26mm@iPhone画面。


iPhoneの電子倍率=最大。
小目盛間隔=1mm ↔︎ 25mm@iPhone画面。

  • 「測定倍率」の定義: 「iPhone画面での長さ」/「実際の長さ」
    • 図1:  26mm/5mm = x5.2 ~ x5.
    • 図2:  25mm/1mm = x25.


iMacの液晶での「I」の字

iPhoneの電子倍率=最小。
「I」の実の幅~1mm。

iPhoneの電子倍率=最大。
Magenta = Blue + Red。

  • 図3では、4本のマゼンタ色の縦線にしか見えないが、
  • 図4では、4対の青色セルと赤色セルに分離して見えている、
    • 光の加色の性質:「magenta = blue + red」に一致している。
    • 右に行くにつれてフォーカスが低下している理由はまだ分からない。



検討


図1や図3の「iPhoneの電子倍率=最小」をレンズだけの倍率と考えるのが自然だろう。とすると、図2や図4の「iPhoneの電子倍率=最大」も含めて考えると、次のようになる;
  • レンズ倍率 = x5、電子倍率 = x1、合成倍率 = x5 * x1 = x5。
  • レンズ倍率 = x5、電子倍率 = x5、合成倍率 = x5 * x5 = x25。
合成倍率 = レンズ倍率 * 電子倍率

図4のフォーカス低下の理由は、幾つかの複合した結果かもしれない;
  • 液晶面とレンズの垂直性
  • 固定の剛性
  • Camera+のFocus•Stabilizerの処理能力

レンズの最終的な性能を見極めるには「iPhone 6s plus」の分解能(400dpi ~ 16dot/mm)がどれくらいに見えるかで判定できそうだ。


この記事の履歴
  1.  開始 2015-12-30(水) 01:08  
  2.  追加 2015-12-30(水) 10:05 合成倍率 = レンズ倍率 * 電子倍率

2015-12-29

プリズムによる太陽光の分散

前回の記事で、ディスプレイ上に表示した色文字を「正三角形のプリズム」で屈曲・分散させると「赤い色」が「青い色」よりも強く屈曲するような不思議なデータとなった;

念のために「太陽光」について、同様の実験をした。結論を先に言えば;
  • 太陽光では、「青い色」が「赤い色」よりも強く屈曲する」という通常のデータとなった。

今後の説明のために、簡単に設定を図に纏めました。



図1 全体

図1 全体像:三脚の上部にプリズムを設置。
後方左側にパネル。
  • 太陽光は、写真機(iPhone 6s plus)とプリズムの延長後方から入射している。
  • プリズムの一つの頂角が太陽に向かうようにした。
  • プリズムの右側面から太陽光は入射(30°)し、左後方のパネル方向に出射する。


図2 プリズムとパネル

図2 プリズムとパネルの延長線上からの写真。
  • 図1より右側に移動して、プリズムとパネルの延長線上ちかくから撮影。
  • プリズムの入射面を「X」マークで表示。


図3 パネルの拡大


図3 パネル拡大。



図4 パネルにアルミ製スケール

図4 パネルにアルミのスケールを配置。




図4 アルミ製スケールに露光を合わせた


図5 :  図4と同じ撮影ですが、
スケール部分に、iPhoneの露出(Exposure)を合わせた。
  • 写真では分かりにくいが、肉眼では;
    • 「5cm」の数ミリ左から、
    • 「40cm」の数ミリ右まで、
    • 「全幅〜6cm」までの連続スペクトルと見える。
  • 屈曲の度合い;
    • 青い光ほど左側で、強く屈曲し、
    • 赤い光ほど右側で、弱く屈曲している。
  • プリズムの幅は3cmで、そこからの屈曲光が208cmの距離で、6cm分散された訳だ。


この記事の履歴
  1. 開始 2015-12-29(火) 20:15

2015-12-16

 三角柱プリズムの分散実験用データと測定画像

 測定用サンプル


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           C        

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三角柱プリズムの分散画像

Figure 1.   Photo of the sample whichi is bent and dispersed in the triangular prism(Fig.2)
  • 図1 三角柱プリズム(Fig. 2)で屈曲・分散したサンプルのカメラ画像。


実験のレイアウト 


Figure 2.  Side view.


Figure 3. Top view.

図1の謎

図1の「黒地に白い文字」部分の拡大をを図4に示す;

Figure 4 Enlarged part of the "white text on a black background" in Fig. 1.



この記事の履歴
  1. 開始 2015-12-16(水) 00:19:05
  2. 修正 2015-12-16(水) 07:42:43  タイトル変更  「三角柱プリズムの分散実験用データ」→「三角柱プリズムの分散実験用データと測定画像」

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