2014-01-29

リョービ・バンドソー、"TBS-50"の為のフェンスを自作

キーボードの改造では、細かな部品を作る為の治具が欲しく成って来た;
  • 平行性が高く;±0.2mm/200mmぐらい、
  • 絶対精度も±0.2mm、
  • 着脱が容易で、
  • 固定時に設定がずれない。
バンドソーの本を調べて見るとこのような治具はフェンス(fence)と言うらしいが、残念な事に市販されていない。そこで自作した結果を図1に示します。

図1a. 斜視図:リョービ・バンドソー(TBS-50) と自作フェンス。

図1b. 斜視図:リョービ・バンドソー(TBS-50) と自作フェンス。

使用中のバンドソーのテーブルのサイズ、200mm x 200mmをもとに、製図に使ったT型定規と工作に使うクランプとを探した。其の結果、使えそうな部品として、
を入手して、試行錯誤をした。希望としては、リング・ソーの左右どちらでもフェンスとしたかったが、工作技量が追いつきそうにも無かったので、左側の専用として製作した。試行錯誤したのは、フェンスの左右位置を決めた後にロックを書ける時に、設定位置がぶれない様にする事だった。其の為には;
  •  フェンスを位置決めの為に左右移動させる時も、「丸鋸定規スライドタイプ300mm MJH-300」のスケールを、前後方向に平行に成る様に、バネを利かす事だった。
  • 上記スケールに対して、「ラチェットバークランプ 300mm 14447」のバー一定の間隔で保持する事だった。
組み立てられたフェンスを図2に示します。

図2a. 斜視図:リョービ・バンドソウ(TBS-50) と自作フェンス。

図2b.上面図:自作フェンス。スケールとクランプ・バーの間隔6mm。

図2c. 左側図:自作フェンス。結合部a。完全に固定。

図2d. 右側図:自作フェンス。結合部A。スケールとクランプ・バーの間隔6mm。







結合部の拡大を図3に示します。

図3a. 斜視図: 結合部a。

図3b. 斜視図: 結合部A。

図3c.  図3bの逆側。

図3d. 押しバネの資料。購入先:東急ハンズ渋谷。







疑似テーブルとして厚さ12mmのパイン材にフェンスを装着して、ロック中の様子を図4に示します。

図4a.  テーブルの下部から見上げた状況。

図4b.  テーブルの 側面から、やや見上げた状況。
図4c. クランプの可動部分をロックした時の、接合部a周辺。

図4d. クランプの可動部分をロックした時の、接合部A周辺。レバー、解除ボタン、バネ。



押しバネのバネ定数kは、図3dの右側の説明から、k = 1/15 kgf/mm  で有る。バネを14mmに切断して、フェンスを装着するとバネは9mmに圧縮される。従って、クランプのラッチが解除されてもバネの圧縮は続くので、クランプ・バーに力、F;
    • F = k * バネ圧縮長 = 1/15kgf/mm * (14 - 9)mm = 0.33kgf.
が掛かっている。この為に、平行移動を安定して行う事が可能と成った。


実際に使った結果、
  • 脱着・装着は、解除ボタンを押しながら、直ぐに出来る。
  • 小型で、30cm程の木材なら、ノギスでみても0.2mm以下に揃っている。0.2
    • 角度精度は、±0.2 / 300、と思われる。
  • 絶対精度も、数回の調整をすれば、0.1mmに合わせることができる。
    • 精度向上のノウハウとしては、「捨て切り」が大切なのを実感した! 
  • 「捨て切り」と「マイ・ターゲージ」との併用で、任意角度の切り出しも出来るのに今頃気がつきました。
  • 日常の工作も、設計図に従って部品が出来てくるようで嬉しい。

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このページの履歴
  1. 開始 2014-01-29-01:07
  2. 追加 2014-01-29-08:38 
  3. 修正 2014-05-21-14:05 バンドソウ → バンドソー

2014-01-26

"Majestouch MINILA US67key Red switch"の導入 #06, divert to Apple Wireless Keyboard

前回報告("Majestouch MINILA US67key Red switch"の導入 #05, Res...)に書いた工作結果;レスト・パッドやキートップ・エンベロープの処理;が正しいかを確認する為に、アップル・ワイヤレス・キーボード(Apple Wireless keyboard; AWK)にその手法を流用してみた。なお、AWKはMINILAに比べると、違いがある;
  • キートップは床に近く、
  • キートップの形状はフラットで、
  • キートップ・エンベロープは同一平面上にある。
以下に、「 1 結果」と「 2 感想」を報告します。

[ 1  Results ]

出来上がった結果を図1a,b,cに示します;

Figure 1a. Over view of MINILA and AWK. 

Figure 1b. Top view of AWK.

Figure 1c. Side view of AWK.



今回の設定の鍵は、通常の設定では手前が低い所を、敢えて持ち上げた事にあります。此れは、マジック・トラックパッド(Magic Trackpad; MTP)で;
  • スムーズな指運び
  • 疲れ難い
が実績としてあるからです。興味が有れば、以前の報告;
を参照ください。


今回は、図1cに示している様に、キーボード表面は水平面に対して1.6°で下向きに傾いています。将来的にはトラックパッドもキーボードも薄く成って行くので、今後が楽しみです。

「第5行目のキー高さ」 今回のAWKと前回のMINILAとの「第5行目のキー高さ」についての比較を図2に示します。

Figure 2.  The typical heights of the AWK and the previous MINILA.


今回の設定では、掌のレスト・パッド(palm rest-pad)の高さも、図2で示された「キートップ第5行目の差、31mm - 23mm = 8mm、に合わせて、単純に製作した。

キーキャップの高さ補正を左手の「tabとローマ字」に限定して実施したのを、図3に示します。

Figure 3. The height correction of keycaps for left hand keys; tab, and roman characters.

この特徴は;
  • 「QやAの行」の「Q, T, G」では、環指や示指の外転(abduction)に起因する補正は AWKでも起こり、
  • 「Aの行 → Qの行」の「W, R」では、環指(ring finger)や示指(index finger)での伸展(extension)に起因する補正も同様に起こるが、
  • 「Zの行」には高さ補正が不要であった。
詳しい事は未だ判らないが、 AWKでは;
  • 「Aの行 → Zの行」の運動では、屈曲(flexion)と同時に外転(abduction)が入り、
  • 「Zの行」のキー押し下げでは、「指先の腹」ではなくて「指の外側面」でキーを押し込んでいるらしい。
    • 図1cに示されているキーキャップの前傾にも関係すると思われる。
前回のMINILAでの「第6行目のキーの拡張」 のイメージを、図4に示します。

Figure 4.  Image of keys extension at AWK like current MINILA in Figure 1a.



[ 2 My Impressions ]
  • 実際の操作感覚は、 MINILAでもAWKでも、類似している
    • 掌レスト・パッドの設計指針が確立した感じだ。
    • 此れまでのAWKの試作品のなかでも、一番使い勝手がいい。
      • 自作でキーの拡張が出来ないのが残念だ。
  • 「AWKの全体の高さ」が低いのは、開放感が有って嬉しい。
  • 「Aの行 → Zの行」の運動を調べると、正しいデザインのヒントが得られそうだ;
    • “Magic Trackpad"と「お絵描きソフトウェア: FireAlpaca」とで、指先の軌跡(finger trajectory)の測定が出来そう。
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このページの履歴
  1. 開始 2014-01-26-20:07
  2. 修正 2014-05-21-19:36 
    1. 『「Aの行 → Zの行」の運動では、屈曲(flexion)と同時に内転(adduction)が入り、』
    2. 『「Aの行 → Zの行」の運動では、屈曲(flexion)と同時に外転(abduction)が入り、』

2014-01-17

"Majestouch MINILA US67key Red switch"の導入 #05, Results of Handicrafts

前回の報告から一ヶ月半程、工作に時間を費やしてしまったのですがが、漸く一段落が着いたので纏めを報告します。工作結果を図に示した後で、特徴の説明を致します。

【I 結果の図】
Figure 1a.  Over view of handicrafts.


Figure 1b. Side view: keys and rest-pads.


Figure 1c. Top view of all keys.

Figure 1d. Side view of the 1st column(left-most)  keys in silhouette. Comparison of original and current setting.


Figure 1e. Back view for the 1st row keys in silhouette. Blue: Small correction(1mm) in height for middle finger.  Gray: Strong height correction(3mm) for two column adduction of index fingers and for two columns abduction of ring fingers. Red: Medium correction(2mm) for other fingers.


Figure 2.1 Inhibiting  sound when a key is bottomed out. "Agathis sheets with thickness of 3mm are cut and stuck on the iron plate.

Figure 2.2

Figure 2.3

Figure 2.4a Cutting device:  Ryobi bandsaw TBS-50. The homemade fence currently constructed for two weeks is attached on the table.


Figure 3a. Place all fingers of left hand  at  home position.

Figure 3b. Place only left little fingers  with A-key.

Figure 3c. Fully open left hand. The red area make contact with the palm rest-pad. The blue area do with the forearm-restpad. The sky-blue area around the carpals make contact with nothing.




【II 特徴の説明】

  1. 「第六行目キー」は見た目を良くするために、キー周辺に黒いアクリル板を付けたケースとした。この第六行目キーのケースをキーボード本体のケースにネジで固定しまして、拡張キーボードとした。
  2. 全てのキートップのスカート部分に、「底打ち音の低減」対策を施しました(Figure 2.1,2.2,2.3)。其の結果;
    1. 思わぬ効果として、「複数キーの同時打鍵時に、指の左右安定性の向上」が得られた。
    2. 今後、キー・ストロークを、4mm → 2mm、に挑戦したいと思う。
  3. 「掌レスト・パッド: palm rest-pad」を「第六行目キー」のケースにネジで固定しました。
    1. この掌レスト・パッドは、母指と小指の中手骨の遠位を保持する(Figure 3c)。従って掌レスト・パッドはキーボード操作時に細かく運動す為に必要な、「指骨群の屈曲や回内・回外運動」が安定的となる基盤だろうと、思われる。
  4. 「前腕レスト・パッド: forearm rest-pad」を「掌レスト・パッド: palm rest-pad」の手前に、稼働可能・固定可能にした。
    1. この前腕レスト・パッドは、Figure 3cに示されているように、「前腕の遠位部 〜 遠位手根皮線と近位手根皮線との周辺で、フラットな部位」保持する。其の為に、前腕の荷重が掌レスト・パッドに掛かるのを防いでいる。
    2. 前腕レスト・パッドと掌レスト・パッドとの間に「手根骨部分がスムースに入り込む」ように、前腕レスト・パッドの前後位置調整をしてから固定する。これにより、手根骨部分が外力を受けずにリラックスできる、というメリットがある。
  5. 四指の運指をスムーズにする為に、「キートップのエンベロープの円滑化」を目指した;
    1. 第二行目と第三行目のキートップは、180°回転して取り付けた(Figure 1.d)。
    2. 第一行目、第二行目、第三行目、第四行目、第五行目の全てのキートップは凹みを削って平坦とした。更に、指の回内、回外動作によりアクセスされるキートップの高さを嵩上げした(Figure 1.e)。
    3. なお、先に述べた『「底打ち音の低減」対策』のとき、無意識の指使いだと、「Qは左環指で操作」・「Pは右環指で操作」なのに気がついたので、此れに対応した。
    4. 小指は短い為に、指先の軌道半径も小さい。此れに対応して、キートップの高さを嵩上げした。
  6. 操作系のキーをキーボード中心に集約を目指した。「第六行目キー」に入れられなかったキーについて、
    1. リターン( ↩: return)、デリート(⌫: delete)、タブ(⇥)を入れる為に、第二行目、第三行目、第四行目の右手操作のキーを右に1列シフトした(Figure 1.c)。
    2. これらのキー操作は慣れるまでミスをし易かったので、白っぽいキートップにした。なお、2週間程で慣れた。

【III 纏め】

実際に工作を進めると、キー配置も大事だが、指の回内、回外動作に対応したキートップの高さの設定を見直したく成って来た。それにはMINILAは適当でないと思われる。今後、他の機種を検討したい。

他方、現在の改良MINILAについて、KeyRemap4MacBookによるリマッピングの改良に再度手を出そうと、楽しみにしています。


【IV 参考資料】

これらの工作では、何時もご厄介になっているhieroglypheさんのかもめーる通信の記事;


がとても参考に成りました。感謝感激雨霰です。

【関連ページ】
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この記事の履歴

  1. 開始 2014-01-17-02:10
  2. 修正 2014-01-20-09:44 Fig. 1e, "Blue: No correction" → "Blue: Small correction(1mm)" 
  3. 追加 2014-01-29-01:14  関連ページ

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